こんにちは道具屋.com店長のコサカです。
始めのテーマは「玉掛け用ワイヤロープ」です。玉掛け用ワイヤロープとは、荷物の吊り上げ・吊り下げ作業を行う際に使用されるワイヤロープです。普段ご使用されていない方には聞きなれない単語ですが、建設現場や工場・運送・海洋・林業など、実際は多岐多様に使われています。
そもそも「玉掛け」ってなんでしょう?
語源の諸説はいろいろありますが、ワイヤロープの端に作られる輪が丸い形をしているので「玉」と考えられ、その「玉」を吊り荷(動力機械等)に掛ける事から玉掛けと呼ばれるようになったとの説が、私にはわかりやすかったです。
玉掛け用のワイヤロープは、両端末に玉(アイ・蛇口)加工が施されて使用されます。吊り上げる際に、荷物と動力機械をつなぎ合わせる(引っ掛ける)ためです。
それでは玉掛け用ワイヤロープの種類を見ていきましょう。
玉掛け用ワイヤロープの端末加工には、大きく分けて2種類あります。
ロック止めタイプ
参考 玉掛け 両端圧縮止めワイヤー 6×24% 径6mm 長さ6.0m 玉200道具屋.com
端末の玉(アイ)加工は、クランプ管を専用のプレス機でカシメた製品
ロック止めタイプのメリット
- 専用のプレス機でクランプ管を圧縮加工しますので、カシメの強度が安定しています。
- 強度効率:95%以上
ロック止めタイプのデメリット
- クランプ管が損傷すると危険
- 水中で長期間使用すると、クランプ管の締結力が落ちる事がある。
編込みタイプ
参考 玉掛け 両端編込ワイヤー 6×24% 径18mm 長さ3m 玉400道具屋.com
端末の玉(アイ)加工は、ロープ加工技能士が編み込んだ製品
編み込み(半差し)タイプのメリット
- 編み込んである部分が目視できるので、製品の安全確認がわかりやすい。
- 目通しなどの作業の際、引っ掛りにくく通しやすい。
編み込みタイプのデメリット
- 編み込んであるので差し込み部末端のワイヤのバリが危険。
- ワイヤ径が太くなるほど、強度効率が落ちる可能性あり。(人間が作るので機械の様には一定しない可能性がある)
- 強度効率:75~95%
各々の加工法にメリット・デメリットがありますが、使用荷重の違いはありませんので(安全率・6倍)、使用用途に応じて使い分けしましょう。
まとめ
玉掛けワイヤロープは、重量物の荷物を吊り上げ移動させるアイテムとなります。安全に作業する為には、荷物の形状や重さに応じたサイズを選定しなければなりません。また、玉掛けとして使用できるワイヤロープの規格や作り方も決められております。(労働安全衛生法・第213条 クレーン等安全規則・第219条)
何より大切な事は、安全最優先に作業をする事だと思います。一歩踏み間違えると事故につながりかねません。適切な玉掛けを使って今日も一日ご安全に!!