繊維スリングとは
繊維スリングとは金属製のワイヤロープに代わり、「繊維でできたロープ」といえます。なんといっても特徴は、繊維のため「吊る商品を傷つけなにくいこと」、またワイヤロープに比較して「かさばらない」、「保存がしやすい」などのメリットがあります。
繊維スリングとは「繊維でできたロープ」
●吊る商品を傷つけにくい
●かさばらない
●保存がしやすい
繊維スリングの規格はJIS等級によって決まっており、通常は1等級~4等級まで定められています。よく利用されるのが3等級です。等級により最大荷重が決まります。安全係数は6以上、リング及びフック等の金具は5以上となっています。
一方で繊維スリングのデメリットは「鋭角な吊り作業に弱い」「ワイヤーロープよりも切れやすい」という点です。
直接商品に触れることで「商品が金属でエッジがあたると切れてしまう」というリスクがあります。そして通常は切れにくくするために「補強筒や緩衝材」をかませます。
繊維スリングの種類にはベルト(帯状)とラウンド(筒状)のものがあります。帯状は安価ですが、耐荷重が高いと幅が広くなりすぎるデメリットがあります。一方で筒状のものは、耐荷重が高くなってもサイズがコンパクトになります。
繊維スリングにはベルト形状と、ラウンド形状があります。
ベルト形状 ・・・安価だが、幅が広くなる
ラウンド形状 ・・・高価だが、サイズがコンパクト
それぞれ、両端アイ形とエンドレス形のラインナップを揃えており、ベルト形にはリング、フックなど金具付きスリングがあります。
材質は主にポリエステルやナイロン製が多く、中にはアラミド繊維やベクトラン等、高強度の繊維を使用した商品もございます。
主なメーカーには、東レインターナショナルのシライスリングがシェアを持っています。
他にも大洋製器工業のインカスリング、丸善織物、スリーエイチ・ポリパワースリングなど多くのメーカーが繊維スリングを提供しています。
繊維スリングのJIS規格に基づいた選定基準はこちらをご覧下さい。
繊維スリングの点検と廃棄基準
JIS規格に定められた繊維スリングには使用期限が定められております。玉掛用ワイヤ・チェーンスリング等は使用期限を設けていませんが(廃棄基準は設けている)、繊維スリングは繊維の紫外線劣化の影響があるため、製品使用開始後、屋内7年・屋外3年で廃棄という基準が設定されています。この条件は、使用回数は関わりません。また、必ずこの期間内はどれだけ使用しても大丈夫という訳ではありません。そこで安全のためには使用前点検・月例点検等の安全点検を行う必要があります。
繊維スリングの廃棄基準はこちらの記事をご覧下さい。
繊維スリングは、軽くて扱いやすく柔軟性があり、吊り荷をキズつくにくい利点がある商品です。玉掛作業をする際、ワイヤロープやチェーンで吊り荷をキズつけたくない場合に使用するマストアイテムです。
道具屋.comでは、吊る内容や吊り方を伺い、最適なものを安価で提案いたします。
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