ワイヤーロープには点検が必要
ワイヤロープは定期的に点検が必要です。損傷や劣化の状態を把握しておきながら、「適正な交換時期」を設けておかなければなりません。今回は、ワイヤロープの点検や廃棄基準について説明していきます。
ワイヤーロープに耐用年数は無し
ワイヤロープには、繊維スリングのような「耐用年数」という考え方はありません。ワイヤロープでは紫外線による劣化などはそこまで影響が無いためと考えられます。
MEMO
繊維スリング(JIS規格品)には、紫外線劣化の影響を考慮し、使用開始日から屋内7年・屋外3年という廃棄基準が明確に定められています。ワイヤロープは、どうなったら使えない? ワイヤロープの廃棄しなければならない基準は?
では、廃棄判別はどのように行ったら良いのでしょうか?
廃棄するかを判断するための簡易点検いて説明します。
注意
※チェックポイントに1箇所でも廃棄該当箇所があれば、使用不可とみなします。まず、ワイヤロープを使用するときには、必ず作業前の点検を忘れずに行って下さい。
チェックポイント1 型崩れ
- ワイヤロープ全長に形崩れ(著しいうねりなど)している箇所がないか
- ワイヤロープの撚りが局部的に詰まったり、戻ったりしていないか(キンクが無いか)
※キンク箇所・特によりの戻る方向・マイナスキンクは危険です。 - 表面が潰れ、短径/長径が2/3以下になっている箇所がないか
- 著しい傷を生じた箇所がないか
- ワイヤロープの心綱または鋼心がはみ出していないか
チェックポイント2 摩耗
- ワイヤロープの公称径より7%以上減っていないか
例:10㎜→9.3㎜以下は危険。 - ワイヤロープの摩耗箇所が公称径より5%以上擦り減っていないか
例: 10㎜→9.5㎜以下は危険
チェックポイント3 腐食
- 素線表面にピッチングが発生し、あばた状になったものがないか
- 内部腐食により素線が緩んでいないか
チェックポイント4 断線
- 素線の切れている箇所がないか(断線数はワイヤロープの構成ごとに規定あり)
まとめ
ワイヤロープの取替時期が遅れますと、事故発生の危険が増大してきますので、その判定には慎重を期さなければなりません。作業前には必ずワイヤロープの点検を行いましょう。ご安全に!