玉掛索としてワイヤロープを使用する際は、端末加工が施されます。今回は、端末加工の種類について説明致します。
玉掛ワイヤは、両端末がアイ状に加工された物が多く使用されています。
アイ加工の呼び方
ロープ端末を折り返して丸く曲げ輪状にする。アイスプライス・サツマ・蛇口とも呼ばれます。
下記に、端末加工の種類について説明致します。
端末加工
圧縮止め加工(ロック加工)
- 専用のプレス機にロープを入れ、アイを圧縮止め加工する。
- 強度効率:95%
- スリーブの材質は、アルミ合金や鉄・ステンレスがある。
- バリの出ないテーパーロック仕様あり。
- シンブルを入れて、ワイヤの局所損傷を防ぐ事が出来る。
アイスプライス加工
- アイとは玉(輪・蛇口・サツマ)を指す
- スプライスとは組み継ぎ(撚り継ぎ・接合)の意味がある。
- 強度効率:75~95%
- 巻差し:ロープの端末をストランドに解き、ロープ本体のストランドに沿って巻く差し方
- 半差し:ストランドを3回以上編み込んだ後、ストランドの素線を二分し、半分を差し込む方法
- フレミッシュ加工:ストランドを二組に分けアイを作り、その後、巻差し又は本サツマする方法。
- シンブルを入れて、ワイヤの局所損傷を防ぐ事が出来る。
エンドレス加工
- ワイヤー端末を繋ぎ合わせて輪っかにする加工
- ロック加工:カシメ1か所
- Wロック加工:カシメ2か所
- グロメット加工:1本のストランドを撚り合わせて円形の1本のロープの形にする。
- ショートスプライス加工:1本のロープを連続して円形に繋ぐ際に用いる。継ぎ代が短い が、片端丸差し3回と半差し2回(又は丸差し4回と半差し1回)計10回以上編み込む。
- ロングスプライス加工:1本のロープを連続して円形に繋ぐ際に用いる。継ぎ代が長い継ぎ代は、普通よりロープでロープ径の600倍以上にするのが望ましい。
バビット(ソケット)加工
ワイヤロープを素線状にばらして、ソケットに入れ、溶かした金属を注入して固める加工
まとめ
玉掛索として、ワイヤロープを使用する際は、必ず端末加工が必要です。
また加工法によっては、玉掛索として使用出来ない台付け加工や、ワイヤクリップ止め等もありますので、注意しましょう。ご安全に!
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