チェーンスリングなど玉掛用吊り具は、クレーン等安全規則 第220条にて、その日の作業開始前に日常点検を行わなければならないと定められており、JIS規格B8816では、日常点検と定期点検の点検基準が定められております。
【日常点検】
- 点検回数:都度、作業開始前に行う。
- 使用荷重以下であるか。
- 部品が正しく組み込まれており、締結部に緩みが無いか。
- フックやジョイント金具が正しく作動するか。
- チェーンや部品が変形していないか。
- ねじれ・傷・き裂・著しい摩耗がないか。
- 著しい錆が発生していないか。
- 熱や薬品に依る影響を受けていないか。
※ポイント:日常点検では、目視による点検を主として行います。
【定期点検】
- 点検回数:使用頻度によって異なるが、原則として1か月ごと行う。
- 日常点検と同内容を行う。
- チェーンが元値の5%以上伸びていないか。
- チェーン線径が10%以上摩耗していないか。
- その他金具類の伸び・摩耗が規定値以内であるか。
※ポイント:定期点検では、数値測定による点検を主として行います。
マーテック 点検用簡易ゲージ
https://dougu-ya.com/?mode=grp&gid=2413142
KITO 点検用チェーンゲージ
https://dougu-ya.com/?mode=grp&gid=1651356
まとめ
安全に使用するには、使用開始前の日常点検および定期点検は必須です。1か所でも異常があった場合、該当スリングはご使用出来ません。また、チェーンなど新品の寸法を記録しておき、数値の変化を管理しましょう。ご安全に!
参考資料
マーテック チェーンスリングの点検基準 抜粋
https://www.martec.co.jp/mt/chainsling-inspection-sheets.pdf